◆村上記念病院糖尿病新聞 2002年3月25日発行
肥った原因、痩せる方法教えます。

看護部長 安藤静子

昨年の秋、主人が健康診断で糖尿病と診断されました。とてもショックでした。なぜかと言うと、主人の日常生活と食生活は特に問題ないと妻の私は自信を持っていたからです。今までは年に1度の健診の結果、アルコ−ル性の肝障害を示す数字が少しずつ高くなって来ている事の他は異常がありませんでした。どちらかと云うとやせ型で筋肉質の主人でしたが、還暦を過ぎた頃より脂肪がつき始め、年相応に腹が出て恰幅が良くなったと喜んでいたりしました。ちなみにその時の主人の身長は170cm、体重は65kgでした。昨年の夏、礼服が合わなくなり新調したついでに、きつくなったズボンを全部洋服屋さんに補正してもらい、たくさんの出費があったばかりなので2重のショックでした。

 でもズボンのきつくなった原因はちゃんとあるのです。夕食の終わった後、2人でティータイムを持ち、ひどい時には大きなあんころもちを2個もペロリと食べていました。共働きにはなんとも云えずストレス解消の時間になっていたのです。でも、この度はそんなことは云っておられません。実は、主人の妹弟が糖尿病なのです。主人だけは大丈夫と思っていただけに、なんとかしなければ・・・・・。

*そこで、3つの事を実践しました。まず第1に、

  1. 食後のティータイムをやめる。
  2. 今まで使用していた茶わんよりほんの少し小さめの茶わんを買って来てふっくらと、見た目いっぱいに御飯をよそう。
  3. 晩酌の酒を主人に悟られない程度に(盃1〜2杯程度)減らす。

以上の事を行い体重を3kg落とす事を目標にしました。すると、意外と簡単にお腹周りの贅肉がスーッと落ち、62kgになりました。正直なもので検査結果も全く正常となり、おまけにアルコール性肝障害もGOT 80->20(正常値:11~50)と一気に下がりめでたしめでたしです。時々ティタイムに誘惑しますが主人の意志は固く一向に乗って来ません。私は主人が自室へ行った後ひとりでゆっくりコーヒータイムを楽しんでいます。これをやめると3段腹が引っ込む事はわかっていますがやめられません。なぜなら、私は糖尿病ではないからです。

コメント:婦長さん最後の一行、糖尿病の患者様を敵にまわしましたね。(笑)
小さな努力が大きな効果となって実を結んだ成果です。境界型に近い患者さん程このような効果が大きいし、むしろこの時期に治療を始めておけば、少量の晩酌も嗜める位で推移してとても良い訳です。糖尿病はこの時期放置される事によって後で大変な思いをするのです。こっそり解らないくらいに調節してもらえた婦長さんのご主人は幸せですね。1人1人のみなさんに一つ一つのエピソードがあるのでしょうね。婦長さん、いいお話をありがとうございました。今後の経験もまた皆様に還元して下さい。患者様からもこのようなエピソードがございましたら、ぜひ新聞宛におよせ頂ければと思います。(い)糖尿病新聞は今度から4階の中平主任が編集してくれることになりました。原稿お待ちしてます。

 
村上記念病院糖尿病チーム
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