◆村上記念病院糖尿病新聞 2003年10月3日発行
神経症についてのお話
 

10月3日、古川先生が神経症のお話をしてくれました。

糖尿病の3大合併症の一つに神経症があります。
神経症の症状の一つとして足先の感覚が鈍くなることが挙げられます。これにより日常生活にさまざまな不都合を生じます。

まず、痛みを感じにくいのでケガをしても自覚しにくく、そこから菌が入り化膿して最悪の場合は壊死(腐って)してしまいます。また温度を感じにくくなるのでアンカ・カイロ・コタツなどで低温やけどをおこしやすくなります。
日ごろから足に注意を払って状態をよく見る事が大切です。そのためには白い靴下を履くと良いそうですが、その理由は靴下についた膿や血液が見やすくなるからです。また血流をよくすることも大切で、湯船に浸かって足を揉むとよいそうです。湯船のなかでは体重の負荷が減り、足の状態も見やすく一石二鳥です。

神経症では足の感覚が鈍るだけでなく、心臓の痛みを感じにくくなります。そのため心筋梗塞になっても痛みを感じないので、症状を見逃しがちになります。心臓の異常は心エコーや心電図で調べることができます。
でも、神経症にならないことが大切。まずは血糖・血圧を下げることが第一です。また血糖が200以上になると神経を傷つける物質が生じるので、食後に神経症が出やすくなります。この物質をできにくくする薬がありますが、効果を実感できるには少し時間がかかります。服用中の方は、効果がないといって途中で止めたりしないでくださいね。


 

村上記念病院
前へ戻る次へ