◆村上記念病院糖尿病新聞 2005年6月28日発行
インスリン療法とは?
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1 インスリンってなに?

インスリンは、すい臓のランゲルハンス島のβ細胞で作られるホルモンです。
食事で摂取されたブドウ糖を脳や筋肉でエネルギーとして利用する時、さらにこれを肝臓にグリコーゲンとして貯蔵する際に必要不可欠なものです。

2 糖尿病のタイプによりインスリンの使い方も変わる

・ 1型糖尿病:インスリンが全く分泌されないか、分泌されてもごくわずかであるため、発症時からインスリンを注射で補ってあげる必要があります。小児や若年層に多くみられます。
・ 2型糖尿病:食べ過ぎや運動不足といった生活習慣などが引き金となり発症し、中高年に多くみられます。
・ その他:遺伝子の異常によるもの
・ 妊娠時の糖尿病

3 多種多様なインスリン注射薬

インスリン注射薬は、時間などの違いにより超速効型、速効型、混合型、中間型、持続型持効型の6種類に分けられます。
これらを個々の患者さんそれぞれの分泌パターンに応じて、単独あるいは組み合わせて使うことで理想的なインスリンパ
ターンを再現することができます。

4 インスリン注射薬はどう使う?

現在のインスリン療法では、ペン型の注入器を用いるのが主流で、注射針は細く短く、痛みも少なくなっています。注射する部位は、吸収のよい腹部が適していますが、主治医の指示に従い、毎回同じ部位に注射するようにしましょう。ただし、いつも同じ場所に注射すると、皮膚がへこんだり、逆にふくれることがありますので、前回注射した場所より2〜3cmくらいずらして注射するようにしましょう。

5 低血糖に注意しましょう

低血糖とは血糖値が正常範囲以下にまで下がった状態のことをいい、冷や汗、動悸、意識障害、けいれん、手足の震えなどの症状があらわれます。低血糖は初期症状が起きた時にきちんと対処すれば、回復します。症状を感じたら、すぐにブドウ糖、ブドウ糖を含む清涼飲料水、砂糖などのいずれかをとり、安静にしましょう。

 村上記念病院糖尿病チーム

村上記念病院
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