◆村上記念病院糖尿病新聞 2006年5月12日発行
糖尿病のおくすり〜内服から治療まで〜
薬剤師
薬物療法は食事療法、運動療法とともに、糖尿病三大治療の一つです。
お薬による治療を始めたからといって、食事療法、運動療法をおろそかに
してはいけません。
○インスリンの分泌を促す薬
・ファスティック、グルファスト(速効型インスリン分泌促進薬)
・グリミクロン、ダオニール、アマリール(SU薬)
○インスリンの効きを良くする(インスリン抵抗性改善)薬
・メデット、アクトス
○食後の糖の生成、吸収を遅らせる薬
・グルコバイ、ベイスン、セイブル
☆インスリン抵抗性は生活習慣病の根底にあります。
一つの病気を治療するだけでは根本的解決にはならないので、
インスリン抵抗性そのものを減らしましょう!
インスリン注射は、薬の作用時間の差によって、超速効型、速効型、混合型
中間型、持続型に分けられます。これらは個々の患者さんのインスリンの分泌パターンに応じて、単独あるいは組み合わせて使うことで理想的なインスリン分泌パターンを再現することができます。
その結果、より自然な形で良好な血糖コントロールが得られ、糖尿病の合併症を予防することができます。
○低血糖について
・低血糖は糖尿病の薬物治療(飲み薬、インスリン注射)を行っている患者さんによくみられます。低血糖を起こしやすい条件として、食事の不足、運動の過剰、インスリンの過剰投与、アルコールの多飲などがあります。

症状は冷や汗、動悸、意識障害、けいれん、手足の震えなどがあらわれます。低血糖は初期症状が起きた時にきちんと対処すれば回復します。

☆ 低血糖症状が起こる血糖値には個人差があります。
自分の初期症状をよく理解しておくことが大切です。
●低血糖が起きた時の対処法
・症状を感じたら、すぐにブドウ糖(5〜10g)、ブドウ糖を含む清涼飲料水(150〜200ml)、または砂糖(10〜20g)などをいずれかをとり、安静にする。
・α―グルコシダーゼ阻害薬を服用している場合はブドウ糖が必要。

 村上記念病院糖尿病チーム

村上記念病院
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