◆村上記念病院糖尿病新聞 2007年8月10日発行
高尿酸血症(痛風)と糖尿病
検査室
1.高尿酸血症と糖尿病
痛風は糖尿病とよく似ていて遺伝的要因が基礎にあり、それに食習慣やストレスなどいくつかの要素が重なり合って発病する病気です。現在国内の痛風患者は約30〜50万人、痛風予備軍の人は、約500万人と推計されている。
高尿酸血症(痛風)は糖尿病と同じで合併症が怖い病気なので、尿酸値と血糖値が高い人は、十分な注意が必要です。また高尿酸血症と糖尿病は併発しやすく、尿酸値が高ければ糖尿病予備軍でも注意が必要です。

2.糖尿病と高尿酸血症の比較
  糖尿病(2型糖尿病) 高尿酸血漿
特徴 血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態が続く 血液中の尿酸濃度(尿酸値)が高い状態が続く
発病の原因

遺伝的な要因と環境要因(生活習慣)

血糖や尿酸が増える理由 インスリン作用不足による糖代謝異常 プリン代謝異常によるプリン体の過剰産生と腎臓での尿酸排泄低下
治療目的 血糖値を管理し合併症を防ぐ 尿酸値を管理し合併症を防ぐ
治療手段

生活習慣の改善と薬物療法

自覚症状 高度の高血糖で、のどの渇きなど著しい高血糖時には昏睡 長時間、高尿酸血症が続くと痛風発作が起きる
合併症 三大合併症や動脈硬化、感染症など 腎臓障害、尿路結石、動脈硬化など

3.食事と運動で尿酸と血糖をコントロール
食事は第一に、カロリーを減らし、プリン体を摂り過ぎないようにする。また、水分を十分に摂り、アルコールは極力控え、野菜類はちゃんと食べる。きつすぎない運動を継続して、それでも尿酸値が高ければ薬の治療が必要になります。

4.他の生活習慣病もチェックし動脈硬化を予防

5.痛風・高尿酸血症の治療
1)痛風発作の痛みをとる。
2)高尿酸血症を治療し痛風発作を防ぎ、同時に合併症を防ぐこと。
3)高尿酸血症の人が併発しやすい生活習慣病を適切に管理・治療し、動脈硬化による心臓病や脳血管障害を防ぐこと。

村上記念病院糖尿病チーム
村上記念病院
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