◆村上記念病院糖尿病新聞 2011年5月13日発行
知っていますか?最近の糖尿病薬
 

2009年から2010年にかけて新しい糖尿病薬「インクレチン製剤」が発売され、高い関心・期待が寄せられています。

インクレチンとは・・・
食事を摂ったときに小腸から分泌されるホルモン。インスリンの分泌を促進する働きをし、血糖値を下げることを手伝う。酵素DPP−4によりすばやく分解される。

★インスリン
すい臓で作られ、すい臓から分泌されるホルモン。血液中のブドウ糖を細胞に取り込んでエネルギーとして利用する、蓄える形にするなど血糖値を下げる働きをする。

<インクレチン製剤の特徴>

  1. 食事の影響を受けない。
  2. 血糖値が高い場合のみインスリン分泌作用を発揮するため、低血糖の発現が少ない。
  3. 中枢神経などに作用し食欲を抑制するため、体重が増えにくい。
  4. インスリンを分泌する機能を保護する。

インクレチンを分解する酵素DPP-4の働きを抑え、インクレチン濃度を上昇させてインスリン分泌を促進し、血糖を下げる。

【グラクティブ、ネシーナ、エクア】

用法:1日1〜2回
副作用:低血糖(他の糖尿病治療薬と併用した場合)、便秘、おなかが張る、腹痛など

DPP-4による分解を受けにくいように作られたインクレチン。

【ビクトーザ】

用法:1日1回通常0.9mgを朝または夕に皮下注射
副作用:低血糖(他の糖尿病治療薬と併用した場合)、下痢、便秘、吐き気など

 

<注意点>
インクレチン製剤は低血糖が少ないとされていますが、他の糖尿病の薬(特にSU薬(アマリールなど))と一緒に飲む場合などは注意が必要です。

このような方は特に注意してください!
@高齢者(65歳以上)
A何種類かの糖尿病薬を服用している
B肝臓・腎臓が悪い
Cインクレチン製剤を追加した後早期に低血糖が発現した
DSU薬を多く服用している

食事会の様子

 

村上記念病院糖尿病チーム
村上記念病院
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