◆村上記念病院糖尿病新聞 2012年7月26日発行
脱水になるその前に
村上記念病院

1.脱水になる原因

身体に必要な水分が不足している状態

  • 人間の体は、成人で60%以上、高齢者の方では約50%が
    水分で、この、水分の10%以上減ると脱水症状を起こします。
    血管の中の水分が減ってつまりやすくなると脳梗塞・心筋梗塞の
    原因となりやすい。
  • 水分や塩分を十分摂らなかったり、嘔吐や下痢でミネラル分が失われることで、からだの水分が不足する状態。
  • 熱中症(脱水症から以降する)・・・高温多湿の環境で発生する障害
           脱水症状を起こしたり、熱がこもって、汗がうまく出せず、
           体温の調節機能がうまく働かなくなる状態。

2.症状

頭痛・立ちくらみ・吐き気・のどの渇き・けいれん・口腔乾燥・皮膚乾燥・だ液が
粘稠・発熱・元気がない・話す言葉がはっきりしない・なんとなく意識がはっきり
としていない。

3.予防ポイント

  1. 定期的に水分を取る。(1日2リットル以上を目標)
    ※心臓や腎臓の悪い方はかかりつけのお医者様に相談しましょう。
  2. 就寝前・起床時・入浴の前後・運動の前後や運動中に水分を取りましょう。
  3. 外出時は水やお茶を持参し、帰宅したら必ず水分を取りましょう。
  4. 一度にたくさんの水分は摂りにくいもの。1回、200mlを少量ずつ摂りましょう。
  5. 飲み物の種類は、カロリーやカフェインに注意すればなんでもよいでしょう。
    (濃度の濃い砂糖・塩分のものは吸収までに時間がかかるのでさける。
    カフェイン・アルコールは利尿作用があり、体内の水分を排泄してしまう。)
  6. 飲水温度は、10度前後のものが吸収に適しています。
  7. 涼しい服装、通気性・吸汗・速乾性がある服装(濃い色の服装は避ける。
    白っぽい服装。襟元をゆるめて熱や汗を逃がす)
  8. 暑さに注意、外出時は日傘・帽子をおわすれなく。(高温多湿炎天下での外出は控え、
    日影を選んで過ごす。)
    室内では冷房や扇風機を適宜利用
    (室温28℃以上、湿度70%を超える時は
    エアコン利用を)
     
    室内にいるからと安心していてはダメ

4.脱水状態を見分ける方法

  1. 握手をする
    握手をしてか手が冷たくなっている場合、体の水分が足りない可能性があります。
  2. 手の親指の爪を押す
    親指の爪を白くなるまでギュッと押してから離し、元の爪の色に戻るのに3秒以上かかる。
  3. 手の甲の皮膚をひっぱる
    手の甲の皮膚をひっぱり、元の状態に戻るまで3秒以上かかる。
  4. 舌の状態をみる
    舌がザラザラしたり、赤黒い色をしている場合。

5.脱水状態に最適な経口補水液の作り方

水・・・1リットル
塩・・・3グラム(小さじ2分の1)
砂糖・・・40グラム(大さじ4と2分の1)
レモン・・・半個分

材料を水にしっかり溶けるまでまぜる。
さらにレモン半個分をしぼった汁を加える(飲みやすくなる)
飲むときは、一気にのまずに、30分でコップ1杯分を飲むぐらいが目安に
作った物はその日の内にのむように。
※体調悪いときはあっさりとのど通りのよい物を

村上記念病院糖尿病チーム
村上記念病院
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