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放射線科 担当医紹介 村上省吾
村上省吾
  • 役職
    放射線科部長
  • 学位
    医学博士
  • 出身大学
    昭和60年東邦大学卒
  • 出身地
    愛媛県西条市
  • 認定資格

    放射線科専門医、日本乳癌学会認定医
    マンモグラフィ読影認定医
  • 専門

    CT、乳癌の診断
  • 最近の研究テーマ

    ヘリカルCTによる乳癌の診断
認定証

特定非営利活動法人
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会主催

☆放射線科医 村上 省吾
マンモグラフィ読影試験(A判定)

放射線科のトピックス

腹部拡散強調画像

はじめに

 拡散強調画像はMRI検査の撮像方法の一つで、急性期の脳梗塞の診断にはまず欠かすことのできない画像です。 他の画像検査で異常を見つけられる以前に梗塞部位の検出が可能であり、脳梗塞において血栓溶解など早期治療を開始するか否かの判断にも使用されます。
 拡散強調画像は頭部領域と同様に腹部領域の診断においても病変と正常組織コントラストがきわめて高いため、病変検出率が向上する期待が持たれています。
 しかし、頭部で使用する拡散強調画像の撮像方法はそのままでは利用できず、最近までは一般的には撮像されることはありませんでした。

撮像方法の改善

 従来腹部拡散強調画像は動きを排除した呼吸停止下において撮像するという条件のために、診断に利用可能な画像が得られませんでした。 このため鮮明な拡散強調画像得るには装置と撮像法法の改善が必要とされました。
 最近、撮像方法や技術の改善により呼吸停止をしなくても拡散強調画像が得られるようになってきました。 この撮像方法では画像を得るために必要な信号を十分に得ることができるため、SN比の改善が望め、細かな撮像も可能となります。 こうして拡散強調画像を立体的なデータとして扱えるようになってきました。
 当院では2004年6月から諸検査において何らかの疾患が疑われて腹部MRI検査が施行された症例に対し、躯幹部の拡散強調画像を撮像し、病変の検索をしています。

当院で撮像された画像を紹介します。

▼図1. 肝臓癌症例
図1

図1は肝硬変に肝臓癌が発症したものです。病変は白く見える部分です。

▼図2. 腎盂癌症例
図2

図2は偶然に右側の腎臓にできた腎盂癌が発見された症例です。図1同様に白い部分が病変です。

▼図3. 肝臓癌治療後再発症例
図3

図3は白黒を反転しています。コントラストが淡い場合によく使われますが、ここでも治療後の腫瘍に再発した小さな病変(黒い部分)が検出されています。
 腹部拡散強調画像では通常は正常肝、膵がほぼ等しく脾、腎、脊髄、副腎は高信号に見られます。 撮像方法によっては等~低信号を示しますが、胆汁の濃度によって変化すると考えられます。病変部(肝癌、腎盂癌など)の殆どはほぼ高信号を示しています。

▼図4 肝臓癌治療後再発症例
図4

 図4はリゾビストという造影剤投与後における拡散強調画像です。
この造影剤は肝臓内に取り込まれる事で造影効果が発揮され、T2強調画像やT2*強調画像で正常の肝臓の陰性造影効果(肝臓を黒くする効果)を確認することができます。 拡散強調画像においては腫瘍と正常肝のコントラストの変化が見られ、さらに診断情報を得られる事が期待されています。
 拡散強調画像は大学病院や一部の進んだ施設において盛んに研究が進んでおりますが、当院でもさらに研究し、 また他施設の技術や情報をいち早く取り入れ、診断がより正確なものとなりますように努力して参ります。

これからはやや専門的な内容になりますが、興味のある方はご一読下さい。

拡散強調画像の撮像法

当院の装置ではbodyコイルによるシングルショットスピンエコー エコープラナーイメージング(SSSE EPI)による拡散強調画像(DWI)を撮像していますので 撮像方法ついて紹介します。
この方法は自由な呼吸状態での撮像方法で1シークエンスは約1~2分で撮像してます。
 撮像に使用するMRI装置はGE横河メディカルシステム社製のSigna infinity 1.5T装置でVer.9.1です。
 SSSE EPI DWIの撮像パラメータはTR 2000-3000, TE 48-76, Nex 10-16, Matrix 128x128, FOV 40x24cm, b=(500,1000),slice/gap 7/1mm。
パラメータには現在も検討を加えつつあり、さらに薄いスライスでギャップ0またはオーバーラップしたより立体的なデータが得られるよう、変更しつつあります。
MPG印加は基本的にはS-I方向の1軸に行いますが、3軸加算するとSN比の改善が望めます。
腹部領域のb値は特に肝をターゲットにする際は小さい値の方がよいという意見もあります。 拡散を鋭敏に反映した画像を得るためにb値を大きく設定すると画像の歪みと同時にTEの延長へと繋がります。 TEの延長はT2の長い部分が拡散強調画像で高信号の誘因であるT2W shine throughへと導きます。
 理想的な拡散強調画像のパラメータはb値を大きくTEは短く設定することです。 しかし、現時点では装置の限界があるためにb値とTEのバランスをみて最適なパラメータを決定して行かなくてはなりません。
 GEの装置では位相ずれ軽減し、歪みなどが減少するMPGを分割して印加するDual SE DWという設定も選択可能です。
  詳細は「新医療」6月号に掲載しております。
文責  更生会村上記念病院放射線科 村上 省吾
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